コンピュータは電気信号のオンとオフ、1と0の組み合わせで動作しています。これを電気信号ではなく、電子や原子の微小な世界の状態を使ってコンピュータを実現しようというのが量子コンピュータです。これによってさらなる小型化、省電力化、高速化が可能になることが期待されています。
量子の世界では、日常生活に慣用化された物理法則では正確には評価できず、量子力学という異なる物理法則によって設計、製造が必要になってきます。現在の半導体でも微小化、極小化していく中で量子力学を無視して設計はできず、電子の動きを正確に制御することが重要な課題になっています。
1999年には固体量子ビット1個の回路動作に成功しています。2000年に入って量子ビット論理演算回路の作成にも成功し、量子コンピュータはリアリティのある技術となっています。